古川日出男

gift (集英社文庫)

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「なかなかキュートな足跡なのよ」。恋人が教えてくれた、妖精の足跡の捕まえかた。ぼくが試してみると、本当に歩いた跡が残っていた。そこで、妖精の映像を撮影しようとするが...(「ラブ1からラブ3」)。水没したお台場にできた新国家、廃墟で死を待つ少女、校舎の屋上にある秘密の楽園―。日常の隣りにある小さな奇蹟を、鮮烈に描いた掌編集。単行本未収録の作品を加えて待望の文庫化。

これは、「奇跡の物語」。とキャッチコピーは謳っているが、私にはこの作品群も等しく『青春』小説だ。

雨音を頼りに躍る少女の胸の高鳴り、3歳にして全てを悟ってしまった幼児の悲劇、一面アルパカまみれのアルパカ掌編、猫を産んだ叔母の話、最高にロックでハードボイルドな『無人島に何を持っていくか?』の回答、前の持ち主が残した音楽の数々を聴きながら想像する男の話など、非常にバラエティー豊かなのである。

こんなに一冊の中にまとめられた掌編の種類が豊富なのだから、奇跡や偶然がひとつやふたつあってもおかしくないだろう。

エメラルドの羽で、あなたも空想の空を翔けるといい。
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