うぐはら 古川日出男 馬たちよ、それでも光は無垢で あらすじを読む 震災からひと月、作家は福島浜通りをめざす。失語する景色、不可視の放射線、傷ついた馬たち。極限の現実の果て、ついに小説は導かれる。そして「彼」、被災地に現れた「彼」、『聖家族』の狗塚牛一郎は作家に語りはじめた―。祈る。想像する。光を求めて言葉を刻む文学の軌跡。 Have a Nice Day! BRIGHT HORSE 我々の歴史は、血なまぐさい暴力に侵されている。英雄であると言い伝えられた武将や偉人には、冷酷非道な独裁者という一面を持つ者も、一定数存在する。 それでも祈らねばならない。 プロメテウスの罪を被った人類は、馬たちのように無垢な瞳で、飼い慣らされた未来を見続けなければならぬのだ。 あの日、『聖家族』は著者と一体化し命を得た。 登場人物のひとりである狗塚牛一郎は、我々に耳元で語り続ける。 『私たちは誰も憎めない。歩みを止めてはならない』と。 2 0 0件のコメント 送信 シェア