上遠野浩平
彼方に竜がいるならば (講談社ノベルス)
ぼんやりとした未来を?なつかしい過去を?それともこの世にあり得ない竜を?これは六つの、道理から外れた夢たちの物語。寂しくて切なくて、でも自分ではそれを今ひとつ自覚できていない衰弱した心。彼らは崖っぷちの人生の中で、奇妙な影に出逢うことで異形の真実と対面する―その先にあるものは残酷な運命であり、揺れる不安定な恋であり、リスキーで見返りのない賭けであり、追い詰められた覚悟であり、やけっぱちの逃避行であり、そして己を見つめ直す選択。生きている理由を死神に問われるとき、彼らはその答えを大空に解き放つことができるだろうか...?