皆川博子
花闇 (中公文庫)
幕末から明治の初めにかけて一世を風靡した歌舞伎役者がいた。三代目・沢村田之助。名門に生まれ、美貌と才能に恵まれた女形として絶大な人気を博しながら、不治の病におかされて三十四歳の若さで逝った。進行する病魔と闘い、足を失いながらも舞台にたつその気迫。芸に憑かれた人気役者の短くも数奇な生涯を、同門の大部屋役者の目を通して情緒豊かにつづる長編小説。
幕末から明治の初めにかけて一世を風靡した歌舞伎役者がいた。三代目・沢村田之助。名門に生まれ、美貌と才能に恵まれた女形として絶大な人気を博しながら、不治の病におかされて三十四歳の若さで逝った。進行する病魔と闘い、足を失いながらも舞台にたつその気迫。芸に憑かれた人気役者の短くも数奇な生涯を、同門の大部屋役者の目を通して情緒豊かにつづる長編小説。