ファーガス・ヒューム,高木直二
二輪馬車の秘密【完訳版】
夜更けの街を走る二輪馬車のなかで、身元不明の紳士が殺害された! 事件は予想をこえたドラマティックな展開を見せる…… 19世紀ミステリー界最大のベストセラー。横溝正史の抄訳でも知られる記念碑的作品が完訳で登場! 江戸川乱歩曰く、「たった一冊の本だけで探偵小説史に名を連ねている作家……この実に奇妙な作家の名はファーガス・ヒューム」。その作品こそ、『二輪馬車の秘密』である。 ガボリオの『ルコック探偵』に触発されたヒュームが書きおろし、1886年にメルボルンで自費出版したところ、たちまち大ヒット。作家の生前に、全世界で75万部を売りあげ、『月長石』やシャーロック・ホームズをはるかにこえて、19世紀ミステリー界最大のベストセラーとなった。 深夜の馬車の乗客が殺害されるという導入部から、検死審問、被害者の身元捜査、容疑者特定と追跡、心理戦と法廷劇を経て、物語は予想外の展開をたどる。謎解きの興趣のみならず、都市風俗の活写、叙述スタイルの変化、そして人間ドラマとロマンスが全編をまとめあげる、ミステリー黎明期の記念碑的作品。 横溝正史の抄訳版につづき、完訳版登場!【電子・PODオリジナル版】