谷村志穂
いそぶえ
幼い頃に母を亡くし、大海女と呼ばれた祖母のもとで志摩の漁村に育った野井山孝子は、高校卒業後は海女になるはずだった。しかし、神主の修行を積む白川武雄との出会いから、ふたりの透明な魂は響きあい、孝子は定められた生き方と、女性としての目覚めの狭間で揺れうごく。体ひとつで海の底から生きる糧を獲る少女と、伊勢神宮の伝統ある神社の跡取りの青年―運命は、ふたりを思いもかけぬ方向へと導いていく。
幼い頃に母を亡くし、大海女と呼ばれた祖母のもとで志摩の漁村に育った野井山孝子は、高校卒業後は海女になるはずだった。しかし、神主の修行を積む白川武雄との出会いから、ふたりの透明な魂は響きあい、孝子は定められた生き方と、女性としての目覚めの狭間で揺れうごく。体ひとつで海の底から生きる糧を獲る少女と、伊勢神宮の伝統ある神社の跡取りの青年―運命は、ふたりを思いもかけぬ方向へと導いていく。