マサト真希

アヤンナの美しい鳥 (メディアワークス文庫)

わたしはアヤンナ。醜い娘。「おまえのような娘を妻にする男はいないよ。市場で夫を買ってこなきゃなるまいね」亡き祖母はわたしに向かってよくこういったものだ。だからいまでもわたしは市場が大嫌い。家畜を買うように夫を買わなければ、だれも愛してくれないほど醜いといわれたことを思い出すから。けれど、魔女のわたしが見つけた美しいひとは、奴隷市場で出会った“彼”だった―。醜い魔女の娘と美しい奴隷の王子。瓦解する帝国の辺境で二人は数多の物語を紡ぐ。

わたしはアヤンナ。醜い娘。「おまえのような娘を妻にする男はいないよ。市場で夫を買ってこなきゃなるまいね」亡き祖母はわたしに向かってよくこういったものだ。だからいまでもわたしは市場が大嫌い。家畜を買うように夫を買わなければ、だれも愛してくれないほど醜いといわれたことを思い出すから。けれど、魔女のわたしが見つけた美しいひとは、奴隷市場で出会った“彼”だった―。醜い魔女の娘と美しい奴隷の王子。瓦解する帝国の辺境で二人は数多の物語を紡ぐ。

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