東海林さだお
昼メシの丸かじり (丸かじりシリーズ 19)
せかされる視線を感じつつ、煮えたぎるけんちんうどんをすする、その時...ショージ君は昼メシを食べながら哲学した。またある時は、ポッテリ型の海老天と恋におちる。かくして、しらす干しに多数という無名性に埋もれて死んでいく哀れさを見出し、「チクワは疲れている」という名言と洞察が誕生したのである。
せかされる視線を感じつつ、煮えたぎるけんちんうどんをすする、その時...ショージ君は昼メシを食べながら哲学した。またある時は、ポッテリ型の海老天と恋におちる。かくして、しらす干しに多数という無名性に埋もれて死んでいく哀れさを見出し、「チクワは疲れている」という名言と洞察が誕生したのである。