菅浩江
“柊の僧兵”記 (徳間デュアル文庫)
少年ミルンにとって、生まれついての自分の白い肌は、うとましい以外のなにものでもなかった。“白い子供”―過酷な砂漠で生きる民たちの間で時折生まれる彼らは、体力的に劣る鬼っ子であり、悪しき伝承によって語られた忌むべき存在でしかなかったのだ。しかし、村が謎の侵略者に襲撃された時、なぜか生き残ったのは、ミルンと、やはり白い肌をもつ少女アジャーナだけだった。突然の破壊と惨殺。敵は何者だったのか、その目的は...。ふたりは真実を知るために、“柊の僧兵”を探す旅に出ることを決めた。