星新一

城のなかの人 (角川文庫)

太閤秀吉の遺言に従って、豊臣秀頼は7歳を迎えた正月早々、大坂城に移された。世間と隔絶され、美と絢爛のうちに育った秀頼にとっては、大坂城の中だけが現実であり、安らぎに満ちた世界であった。ところが、徳川との対立が激化するにつれ、秀頼は城の外にある「悪徳」というものの存在に気づく。異常な人間関係の中での苦悩と滅びの人生を描いた表題作のほか、「正雪と弟子」「はんぱもの維新」など5編の時代小説を収録。

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