川上未映子

ぜんぶの後に残るもの

わたしにとっての南三陸町は、その母子の輝きそのものである。町の記憶は匂いや光や言葉とともに、あの筆舌に尽くし難い圧倒的な生命力と分かちがたくわたしのなかにある。津波にも地震にも奪いきれないものが、わたしたちのなかにはある。

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