佐々木禎子
殉愛の掟 (二見書房 シャレード文庫)
「―哲也さんには、そういう身体になっていただきます」父の死をきっかけに、歌舞伎町の片隅にシマを張る水瀬組の二代目組長となった哲也。だが組の内情は火の車。組員と家族を守るため、哲也は広域暴力団のフロント企業社長を務める朝井を頼ることに。己の才覚一つでこの世界に確固たる地位を築いた男の前で、哲也は組長とは名ばかりの、ただ庇護を求める矮小な存在だった。唯一差し出せるのは、この身体。昼下がりの社長室で、朝井の所有物として調教をほどこされる哲也には、しかし屈辱をしのぐ甘美な感覚が...。