オーウェンレニック
セラピストと患者のための実践的精神分析入門
米国精神分析界を永らく牽引してきたオーウェン・レニック初の単著、待望の邦訳。今日、マネージド・ケア、EBMの興隆のなか、精神分析は治療法としての存在意義を再確認すべき時期にあると言える。レニックは本書で、「中立性」「匿名性」など、フロイト以降の古典的精神分析理論において前提とされてきた原則の意義を、日常の臨床において現れるセラピストと患者の相互作用のなかで再点検していく。あくまで患者の症状軽減、治療利益を重視しつづける症例記述から、精神分析治療において何が実践的であるのかが鮮やかに理解されるだろう。わかりやすい語り口で解説されたセラピストと患者のための「実践的精神分析」のはじめての入門書。