入間人間
たったひとつの、ねがい。 (メディアワークス文庫)
彼女と知り合ったのは学生時代だった。互いに心を通わせてる、そのことすらも確認しなくても分かる日々。そして今日、俺は思い切って結婚を彼女に持ち出してみた。下手に出て、お伺いしてみる。恐る恐る顔を上げて反応を確かめると、非常に希少なものが拝めた。彼女がにたにたと、ともすれば意地悪く見えるほどにやついている。つまり、良いよ、ということ?やったぁ...と、思ったその瞬間。あんな、あんなことが起こるなんて。それから、俺のもう一つの人生は始まった。