浜田文人
硝子の絆 (ハルキ・ノベルス)
「ボク、恐喝されてる」―夕刊さくら報道部記者・大沢一朗は自分の耳を疑った。一人息子の譲が、名門私立高校の四人組から強請をうけているというのだ。四人のリーダー的存在である若村祐樹宅へ向かった二人だったが、待っていたのは無惨な姿に変わり果てた祐樹の死体だった。警察の容疑の目が譲に向けられる中、息子の無実を確信する大沢は、祐樹の仲間三人や、譲の恋人・麗奈と接触、事件の裏側を探るのだったが、そこに浮かび上がってきたのは、若者たちを翻弄する、大人たちの醜い世界だった―。親子・友人・学校・社会...歪みきった関係に苦悩する者たちの姿を描く長篇ミステリー。