辻仁成

クロエとエンゾー (小学館文庫)

ある女性と関係を持ってもらいたい―井島という男から依頼された「特別なアルバイト」で、大学二年生のエンゾーは見ず知らずの女性を井島の見ている前で抱く。それがクロエとの出会いだった。ぼくをあなたの恋人にしてください―五年前から筆が止まった女流作家・伊東春雨の前に現れたのは、三十以上年の離れたエンゾーと名乗る青年だった。執拗に男女の関係を迫られるうち春雨は青年が近づいてきた理由に気づく。舞台は東京からパリ、そして美しい島へ。運命に導かれ出会ったクロエとエンゾーが互いに構築する“世界”を巧みな構造で描く壮大な愛の物語。

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