小堀桂一郎

日本に於ける理性の傳統 (中公叢書)

「理性」や「自由」の觀念は、西歐の近代文明を拓き推進した輝かしい進歩の標語であり、日本人は江戸時代の半ばに洋學の移入を通じて徐ろにこの種の理念に眼を開かれて行つたのだ―と、讀書人諸氏の多くがそんな先入見を持つて居られるのではないか。それは大いなる誤認であつて、「理性」も「自由」も元來日本人の精神風土の内から自然に發生し成熟した固有の傳統の所産であり、而もそれは西歐近代の開始に約三百年先行する鎌倉時代の出來事だつたのだ。この事實を史料的論據を連ねて論證しようといふのが本書の作因である。

「理性」や「自由」の觀念は、西歐の近代文明を拓き推進した輝かしい進歩の標語であり、日本人は江戸時代の半ばに洋學の移入を通じて徐ろにこの種の理念に眼を開かれて行つたのだ―と、讀書人諸氏の多くがそんな先入見を持つて居られるのではないか。それは大いなる誤認であつて、「理性」も「自由」も元來日本人の精神風土の内から自然に發生し成熟した固有の傳統の所産であり、而もそれは西歐近代の開始に約三百年先行する鎌倉時代の出來事だつたのだ。この事實を史料的論據を連ねて論證しようといふのが本書の作因である。

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