荻原浩

二千七百の夏と冬(下) (双葉文庫)

2011年、夏——ダム建設工事の掘削作業中に、縄文人男性と弥生人女性の人骨が同時に発見された。二体は手を重ね、顔を向け合った姿であった。3千年近く前、この二人にいったいどんなドラマがあったのか? 新聞記者の佐藤香椰は次第にこの謎にのめりこんでいく。 紀元前7世紀、東日本——ピナイの村に住むウルクは15歳。5年前に父を亡くし、一家を支える働き頭だが、猟ではまだまだ半人前扱い。いろいろと悔しい目にあうことも多い。近ごろ村は、海渡りたちがもたらしたという神の実コーミーの話でもちきりだが、同時にそれは「災いをもたらす」と噂されていた。

2011年、夏——ダム建設工事の掘削作業中に、縄文人男性と弥生人女性の人骨が同時に発見された。二体は手を重ね、顔を向け合った姿であった。3千年近く前、この二人にいったいどんなドラマがあったのか? 新聞記者の佐藤香椰は次第にこの謎にのめりこんでいく。 紀元前7世紀、東日本——ピナイの村に住むウルクは15歳。5年前に父を亡くし、一家を支える働き頭だが、猟ではまだまだ半人前扱い。いろいろと悔しい目にあうことも多い。近ごろ村は、海渡りたちがもたらしたという神の実コーミーの話でもちきりだが、同時にそれは「災いをもたらす」と噂されていた。

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