吉野裕子
五行循環
一年十二カ月、四季の推移の無事順調の巡りを希って、古来、日本人は様々な呪術を行ってきた。民生の安定・五穀豊穣祈願のためには自然の成すがままでなく折目節目に年中行事を配してその調整に心を砕く。その重要な要素が易と五行の原理である。陰陽二元から発した森羅万象を統一的に理解する「易」の理、木火土金水の五原素の輪廻に万物の生成、発展、交替をみる「五行」の思想、現行の民俗にかろうじて受け継がれているその祈りの軌跡を追った待望の書。
一年十二カ月、四季の推移の無事順調の巡りを希って、古来、日本人は様々な呪術を行ってきた。民生の安定・五穀豊穣祈願のためには自然の成すがままでなく折目節目に年中行事を配してその調整に心を砕く。その重要な要素が易と五行の原理である。陰陽二元から発した森羅万象を統一的に理解する「易」の理、木火土金水の五原素の輪廻に万物の生成、発展、交替をみる「五行」の思想、現行の民俗にかろうじて受け継がれているその祈りの軌跡を追った待望の書。