塚本邦雄

源氏五十四帖題詠 (ちくま学芸文庫)

歌集『水葬物語』『緑色研究』で戦後文壇に「前衛短歌」の嵐を巻き起こした塚本邦雄が、古典中の古典である『源氏物語』と対決し、対話した異色の書。各帖冒頭に掲げられた創作短歌五十四首は、モダニスムと伝統が融和して、陰翳に富む光と香りを放つ。引き続くエッセイでは、塚本が読み取った源氏物語の「雅宴的」な世界の精髄が語り尽くされる。優雅なる宴というべき王朝の詩歌管絃の儀礼、諸芸道、庭園、植物などに託された「この世に生きる歓びと哀しみ」が塚本流に変奏される。読者は、全く新しい源氏物語観に驚かされるだろう。巻末に、「源氏物語対談」を併録。「全集」未収録作品。

歌集『水葬物語』『緑色研究』で戦後文壇に「前衛短歌」の嵐を巻き起こした塚本邦雄が、古典中の古典である『源氏物語』と対決し、対話した異色の書。各帖冒頭に掲げられた創作短歌五十四首は、モダニスムと伝統が融和して、陰翳に富む光と香りを放つ。引き続くエッセイでは、塚本が読み取った源氏物語の「雅宴的」な世界の精髄が語り尽くされる。優雅なる宴というべき王朝の詩歌管絃の儀礼、諸芸道、庭園、植物などに託された「この世に生きる歓びと哀しみ」が塚本流に変奏される。読者は、全く新しい源氏物語観に驚かされるだろう。巻末に、「源氏物語対談」を併録。「全集」未収録作品。

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