人はなぜ人を殺すのか。河内音頭のスタンダードナンバー“河内十人斬り”をモチーフに、町田康が永遠のテーマに迫る渾身の長編小説。

この本は、「人はなぜ人を殺すのか」という普遍的なテーマに、極めて私的な個人や時代・地域を出発点にしつつ、迫っていくように思いました。

筆者は、独特のポップな表現で、主人公熊太郎の心のうちを見事に表現し、心の内と、言葉と、行動が一致しない苦しみを描いていきます。極度に思弁的な熊太郎は、村の中でまともに生きていくことができず「極道者」として、「ゆらゆら」するしかない。

物語は私的な要素と、普遍的な要素が錯綜し、複雑に絡み合いながら、河内弁のリズムにのって、どんどん進んでいきます。そして、独自の美学をもとに、意表を突き、相手から善意を引き出そうとする、彼のかけひきが、失敗し、悲劇が起こります。

孤独について歌っているowner of a lonely heartを選曲しました。本も歌も刺激強めの作品です!
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その本に音楽をならそう。
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