時は中世、シャルルマーニュ大帝の御代、サラセン軍との戦争で数々の武勲を立てた騎士アジルールフォ。だが、その白銀に輝く甲胄の中はからっぽだった。肉体を持たず、意思の力によって存在するこの“不在の騎士”は、ある日その資格を疑われ、証を立てんと十五年前に救った処女を捜す遍歴の旅に出る。付き従うは過剰な存在を抱えた従者グルドゥルー。文学の魔術師カルヴィーノが人間存在の歴史的進化を奇想天外な寓話世界に託して描いた“我々の祖先”三部作開幕。

"con te partiro"は英語歌詞だと"time to say goodbye"と別れを連想させる歌詞になってますが、本来は「君とともに旅立とう」という旅立ちの歌だそうです。

『不在の騎士』はイタリアの「文学の魔術師」イタロ・カルヴィーノの傑作ファンタジー。軽やかに進む冒険と戦い、そして恋。

曲の歌詞が示す「旅立つ2人」というのはアジルールフォとグルドゥルーか、あるいはランバルドとブラダマンテ、もしかするとトリスモンドとソフローニアかもしれませんね。
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ぼくの叔父さんテッラルバのメダルド子爵は、トルコ軍の大砲の前に、剣を抜いて立ちはだかり、左右まっぷたつに吹き飛ばされた。奇跡的に助かった子爵の右半身と左半身はそれぞれ極端な“悪”と“善”となって故郷に帰り、幸せに暮らす人びとの生活をひっくりかえす―。イタリアの国民的作家カルヴィーノによる、傑作メルヘン。

戦争で体と人格が分裂してしまった領主に振り回される人々を描いたカルヴィーノ。作品の不条理でブラックな雰囲気と、曲の雰囲気が会っていると思います。
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