田牧大和

八万遠

王は、二人いらない―。上王の統べる地、八万遠。建国より千年、二人の少年が出逢う。一人は東国の雪州嫡男・源一郎。今一人は雪深き墨州長男・甲之介。やがて二人が国を治める主となった時、運命の歯車が血の匂いを纏って回り出す。妻子と家臣に恵まれ、善き治世を布く源一郎と、弟を殺し父を幽閉して、領主となった甲之介。二人を結ぶものは友情か、それとも。流転の偽史物語。

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