大石直紀

テロリストが夢見た桜

「博多発東京行きのぞみ16号を乗っ取りました」新幹線運行本部にかかってきた一本の電話。犯人は日本に勾留中のイラク人大物テロリストと来日中のパウエル米国務長官とのテレビ生討論を要求してきた。さらに大勢の人質の身代金としては少額の一〇〇万ドルを用意せよと。次々と講じてくる犯人の奇策に翻弄される警察。姿の見えない犯人に怯える乗員乗客。厳重警戒のなか、のぞみは刻一刻と“終着点”へと向かっていく。果たして犯人の目的は反米テロか金か、それとも...。テロリストが描いていた意外な「夢」とは―。第三回小学館文庫小説賞受賞作。

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