尾崎一雄,高見順,ラム

日 (百年文庫)

「こうして床を並べて眠るのも今夜ぎりだ」―。娘の結婚式を控えた父親の真情が胸にしみる尾崎一雄の『華燭の日』。戦後の苦しい時代、酒宴の席で怪しげな人生談義が始まった。語り合ううちに哀感の底から湧いてきた新しい希望(高見順『草のいのちを』)。気苦労ばかりの勤め人として幾星霜、ついに定年の日を迎えた「私」。解き放たれた「自由な時間」を前に会社への訣別と感慨を綴ったラムの『年金生活者』。名もなき日々が美しい、愛とユーモアの一冊。

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