巽孝之

メタフィクションの思想 (ちくま学芸文庫)

現実がますますハイテク化し、ヴァーチャル・リアリティが一気に自然化した今、旧来の文学の根底にあった「リアリズム」は既に崩壊した。文学的現実を極限まで追求したとき、その地平には文学の企みが忽然と浮上してくる。トマス・ピンチョン、筒井康隆、ルーディ・ラッカー、沼正三、スティーヴ・エリクソン、ユーリディシー...それまでの小説論に果敢な挑戦状をたたきつけた彼らの作品を手がかりに、ハイパーメディア時代の文学的可能性をさぐる。日本初の本格的メタフィクション論。

最初の感想を投稿しよう。