水島広子
50代からの人間関係
気づいてみれば、夫や妻との関係がぎくしゃくしてきた。義理の親との関係がうまくいかず、夫(妻)も頼りにならない。自分の老親のことが心配だが、何を言っても感情的に返されるだけ。成長した子どもと仲たがいしてしまい、まったく会話がなくなった。これらは本書で取り上げている例の一部ですが、「50代からの人間関係」には、案外悩ましいテーマが多いものです。その上、50代以降の人間関係は、問題を修復しにくいものです。だからと言って手をこまねいていると、人生後半に孤独感を強く持つようになり、生きる喜びも見失いかねない、ということがあります。本書の特徴は、パートナー、老親、子ども、友人、職場の人たちなどとの「人間関係」のさまざまな「お悩み」に対して一つひとつ、対処法をお話ししている点です。50代と言うと、一般には「もう若くもないのだし、分別もあるでしょう」という目で見られます。それは確かに一面の真実なのですが、ぜひ認識しておいていただきたいのは、50代以降の人生を歩むのは、誰にとっても初めてだということです。でも、安心してください。「50代からの人間関係」を豊かにするには、いくつかのコツがあります。難しいことは特にありませんが、知っているのと知らないのとでは、人生の質がかなり変わってきてしまうと思います。「50代からの人間関係」の重要ポイントを学んでいただくことは、単にその時期の悩みを解決するだけでなく、人生後半をどう生きるか、ということにもつながってきます。どんなに難しい局面でも、乗り越え、幸せに生きていくための人間関係の知恵を、ぜひこれからの人生にお役立てください。 【PHP研究所】