志水辰夫

冬の巡礼 (角川文庫)

「おふくろに届けてくれ」坂倉博光は、そう言い残して数日後、謎の死を遂げた。託されたのは位牌だった。鈴木克宏は遺言めいた品物を手に、坂倉の故郷を訪れた。ところが、そこで予期せぬ危険に晒される。鈴木は位牌に秘められた謎を求め、坂倉の過去を辿っていくのだが...。一度かぎりの過ちで滅びていく男たち。数え切れない哀しみを耐え忍ぶ女たち。立ちこめる雪煙の中で、人生を捨てた男が策謀の渦に身を投じていく長編ハードボイルド。

最初の感想を投稿しよう。