志水辰夫

暗夜 (新潮文庫)

弟は三年前、本牧埠頭に沈んだ愛車の中で発見された。腹をえぐられて死んでいた。榊原俊孝はその死の謎を追う。知らぬ間に、中国古美術の商いに深入りしていた弟。彼から母が預かった唐三彩の水差しは、混迷を解く鍵となるのか―。様々な思惑を胸に秘め、大胆に動き始める兄。日中両国、幾人もの欲望が渦を巻く危険なゲームが、そして、始まる。志水辰夫の新境地たる漆黒の小説。

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