河野多恵子

赤い唇・黒い髪 (新潮文庫)

紅茶の季節に、孫娘の赤いくちびるの色に魅せられる祖母の偏愛「赤い唇」。外国にいる恋人に、冷たい感覚の右半身をゆだねる女の幻想「片冷え」。誰かに言いたくてたまらないある言葉への欲望「大統領の死」他人には言えない若い妻の妖しい願望「朱験」。老親の生への偏執「来迎の日」...。現実生活につなぎとめられた異常な感覚を軸に、大人の女のエロチシズムを描く短編集7編。

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