池澤夏樹

キップをなくして (角川文庫)

改札から出ようとして気が付いた。ないない、キップがない!「キップをなくしたら駅から出られないんだよ」。どうしよう、もう帰れないのかな。キップのない子供たちと、東京駅で暮らすことになったイタル。気がかりはミンちゃん。「なんでご飯を食べないの?」。ミンちゃんは言った。「私、死んでいるの」。死んだ子をどうしたらいいんだろう。駅長さんに相談に行ったイタルたちは―。少年のひと夏を描いた鉄道冒険小説。

最初の感想を投稿しよう。