長部日出雄

まだ見ぬ故郷 (上)

三人の天下人と対決して、これほど重大な選択の場におかれ、深い矛盾に引き裂かれた武将は他にいない。神か、領国か、地上の栄光か、天上の平安か―領土を争って血みどろのいくさが繰り広げられる戦国の世に、だれもが命がけで守ろうとする領国を捨て、魂の故郷を求めつづけて、故国から追放され、遠い異国の地に果てたキリシタン大名高山右近の流転の生涯を鮮烈に描いた大作。

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