向田邦子

阿修羅のごとく (文春文庫)

穏やかに暮らしているはずの実家の父と母。しかし、その父に愛人がいるとわかり、四姉妹は急に色めきたった。未亡人でお花の先生をする長女綱子、主婦の次女巻子、独身の図書館員三女滝子、ボクサーと同棲する四女咲子。母のために女性との関係を清算させようと相談をするが、表向きの顔とは別に、姉妹それぞれがのっぴきならない男と女の問題を抱えている。猜疑心強い阿修羅になぞらえ女の姿を軽妙に描いた、向田作品の真骨頂。

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