丸山健二

さすらう雨のかかし

寂れる一方の片田舎、海ノ口町。町の秩序を守るため、役場の苦情処理係の職務に全力を注ぐ中年男の私は、突然のヤクザな流れ者の出現に揺らぐ。男の顔は私と瓜二つ。平凡な日々に訪れた危険な香りに興奮し、翻弄される私を嘲笑うかのような、畑のかかしもまた私の分身なのか...。

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