津原泰水

綺譚集

幻想、残酷、情愛。 恐怖、哄笑、郷愁。 あらゆる感情を揺り動かす十五の精華 読む者を黄昏へといざなう、幻想小説の精髄 散策の途上で出合った少女が美しく解剖されるまでを素描する「天使解体」、白痴の姉とその弟が企てる祖父殺し「サイレン」、陵辱された書家の女弟子の屍体が語る「玄い森の底から」等、妖美と戦慄が彩る幻想小説や、兎派と犬派に分かれた住民たちの仁義なき闘争を綴る「聖戦の記録」の黒い笑い、失われた女の片脚を巡る「脛骨」の郷愁、ゴッホの絵画を再現した園に溺れゆく男たちの物語「ドービニィの庭で」の技巧等々。文体を極限まで磨き上げた十五の精華を収める。孤高の鬼才による短篇小説の精髄。 ※紙書籍版とはカバー画像が異なります。 【収録作】 「天使解体」 「サイレン」 「夜のジャミラ」 「赤假面傳」 「玄い森の底から」 「アクアポリス」 「脛骨」 「聖戦の記録」 「黄昏抜歯」 「約束」 「安珠の水」 「アルバトロス」 「古傷と太陽」 「ドービニィの庭で」 「隣のマキノさん」 解説=石堂 藍

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