大山尚利

紙の眼 (講談社ノベルス)

通り魔事件の発生に揺れる街で、郵便局に勤める「彼」は、ある朝、眼が描かれただけの奇妙な貼り紙を見つける。その直後、「彼」は日常生活を盗撮された写真を誰かから送りつけられるようになる。連続して起こる通り魔事件と、「彼」を苦しめる盗撮写真、そして街中に増殖していく貼り紙に描かれた眼には関係があるのか―都市生活者の不安と恐怖を、浮遊感あふれる筆致で捉えた表題作のほか、書下ろしを含む短編5編を収録。

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