黒川創

いつか、この世界で起こっていたこと

ベラルーシのきのこ狩りは、74,000ベクレル/m2以下の森で―。かつてきのこは、あらゆるスラヴ料理の母だった。犬を連れ、白樺とモミの林にきのこ狩りにでかけていたチェーホフ。1977年のエルヴィスの死と、アメリカ核施設見学ツアー。内戦のユーゴを離れ、日本で暮らしたサラエヴォの女性シンガー。関東大震災の津波で生死を分けた鎌倉の文学者夫妻。世界が変わり、森が変わっても、人びとは生きる。震災後に生きるわたしたちを小さな光で導く、深い思索にみちた連作短篇集。

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