木下古栗

ポジティヴシンキングの末裔 (想像力の文学)

まったくもって毛深い体質ではなかったはずなのに、ある朝、純一郎が目覚めると、手足が自らの陰毛によって緊縛されていた...(「ラビアコントロール」)。枕に額を預けて目をつむった。眠りの底なし沼に沈みそうになる。このまま性器をまさぐり出せば俺はマスターベーションを避けられないだろう...(「糧」)。不可思議な官能のスパイスがまぶされた約30篇が競演する初作品集。

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