辺見庸
いまここに在ることの恥 (角川文庫)
国家は人の内面に平気で入りこみ、資本、市場、マスメディアと情報消費者が共犯関係を結ぶ。日常のなにげないルーティンを養分にして今風のファシズムが蔓延する現代。そこに拭っても拭いきれない罪や恥のにおいを嗅ぎつける著者が、屍臭に満ちた薄暗がりの内奥に眼をこらし、躰のすみずみまで広がる恥辱の根源を問いただす。抗いがたい死の足音を聞きながら、突きあげる衝迫にかられてなし得た思索の極限。
国家は人の内面に平気で入りこみ、資本、市場、マスメディアと情報消費者が共犯関係を結ぶ。日常のなにげないルーティンを養分にして今風のファシズムが蔓延する現代。そこに拭っても拭いきれない罪や恥のにおいを嗅ぎつける著者が、屍臭に満ちた薄暗がりの内奥に眼をこらし、躰のすみずみまで広がる恥辱の根源を問いただす。抗いがたい死の足音を聞きながら、突きあげる衝迫にかられてなし得た思索の極限。