辺見庸

自動起床装置

「...眠りの世界ではいろんなことが起きる。辛くて、狂おしくて、他愛なくて、突飛で、情けなくて...もう、すべてなんて言葉でおおえないほどすべてのことが起きる」ぼくと聡は、通信社の仮眠室で仮眠をとる人々を、快く目覚めへと導く「起こし屋」のアルバイトをしている。ところがある日「自動起床装置」なるものが導入された...。眠りという前人未到の領域から現代文明の衰弱を衝いた芥川賞受賞作。カンボジアの戦場への旅を描いた「迷い旅」と、巻末には日野啓三氏との対談も併録。

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