藤木稟
陀吉尼の紡ぐ糸 (トクマ・ノベルズ)
昭和九年浅草、吉原・弁財天。神隠しの因縁まつわる古木「触れずの銀杏」の側に、ぐったりと座る老人の姿があった。しかし...、様子がどこか変だ。顔がこちらを向いているのに、同時に背中もこちらを向いている。つまり、顔が表裏逆さまについているのだ!そして老人の手が、ゆらりと動く。まるで手招きするように...。盲目の探偵・朱雀十五、初見参。全面加筆訂正による、文庫改訂新版。
昭和九年浅草、吉原・弁財天。神隠しの因縁まつわる古木「触れずの銀杏」の側に、ぐったりと座る老人の姿があった。しかし...、様子がどこか変だ。顔がこちらを向いているのに、同時に背中もこちらを向いている。つまり、顔が表裏逆さまについているのだ!そして老人の手が、ゆらりと動く。まるで手招きするように...。盲目の探偵・朱雀十五、初見参。全面加筆訂正による、文庫改訂新版。