矢野隆

山で野生児として育った虎が、ある日村人に捕まってしまう。その窮地を四郎という少年に助けられる。天草四郎と虎の出会いだった。当時、島原と天草では切支丹迫害が苛烈を極め、蜂起が企てられつつあった。他方、老中・松平信綱は、幕府という権力の箍を締め直そうとしていた。父の邪心で切支丹の旗頭にされた四郎。純真な心で四郎の護衛役となった虎。乱を欲する、心の闇にとらわれた信綱。交錯する三人の思惑。時代が大きく動きはじめた―。「島原の乱」新解釈、衝撃の歴史長編!

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