石牟礼道子 天湖 盆の十六夜、仏送りの晩。九州山地の奥深いダム湖を、一人の青年が訪れた。祖父の骨灰を、三十年前湖底に沈んだ故郷・天底村へ撤くため、東京から来たのだ。そこでめぐり逢った人びとと、ある巫女の死、そして歌が、彼にもたらしたものとは―。 シェアする