多和田葉子

海に落とした名前

NYから東京に向かう飛行機が不時着。生き延びたと思ったのも束の間、「わたし」はすべての記憶を失っていた。手がかりは、ポケットの中のレシートの束だけ。スーパー、本屋、カフェ、ロシア式サウナ...。熱心に過去を探る謎の兄妹があらわれて、「わたし」の存在はますます遠のいてゆく。表題作ほか全四篇、待望の最新短篇集。

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