花村萬月

狼の領分 (新潮文庫)

大神の天衣無縫な笑顔には、誰もがやられてしまう。スレてる俺でさえ例外じゃなかった―。元ヤクザの俺は、巨漢・蒼ノ海と共に、札幌の旅館で、いわくつきの大金をもてあましていた。やがて旅館の女将・純子と深い関係になる。その縁で暴力団を率いる若きカリスマ、大神と出会った。互いに好感を抱いていた。だが、俺たちはいずれ、喉笛を狙いあう二匹の獣と化す運命にあった。

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