梨木香歩

海うそ (岩波現代文庫)

昭和の初め、人文地理学の研究者、秋野は南九州の遅島へ赴く。かつて修験道の霊山があったその島は、豊かで変化に富んだ自然の中に、無残にかき消された人びとの祈りの跡を抱いて、彼の心を捉えて離さない。そして、地図に残された「海うそ」ということば...。五十年後、再び遅島を訪れた秋野が見たものは―。

最初の感想を投稿しよう。