川上弘美

おめでとう (文春文庫)

いつも束の間の逢瀬しかできない2人。年末の一日、初めて過ごした2人だけの長い時間。鍋を準備して、「おかえり」「ただいま」と言い合って(「冬一日」)。ショウコさんと旅に出る。電話の最中に「なんかやんなっちゃった」と声が揃ってしまったのだ(「春の虫」)。いつか別れる私たちのこの一瞬をいとおしむ短篇集。

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