栗本薫

里見八犬伝 (21世紀版・少年少女古典文学館 第21巻)

南総里見家の息女伏姫の胎内から八方に飛びちった八個の玉にしるされた八つの文字。その玉をもって生まれ出た八人の勇士が、運命の糸に引き寄せられるように出会い、ともに戦い、また別れていく。『里見八犬伝』は、江戸時代の読本作家・曲亭馬琴が、二十八年の年月と失明の不運をのりこえて完成させた全百六冊にも及び大伝奇小説である。悪と戦う正義の犬士たち、義のために犠牲となる女たちが織りなす波瀾万丈の物語は、エンターテイメント小説の原点として尽きない魅力を放っている。

最初の感想を投稿しよう。