岩井志麻子

無傷の愛 (双葉文庫)

私は、特別嫌いな人を「裏のアイドル」と呼んで、生き甲斐にしていた。陰湿な策略をめぐらせ、それぞれの人生をボロボロにしてやった。彼女たちの微妙な選ばれし感が、攻撃の対象として私を堪らなくさせるのだ。しかしまさか、そんな私の方が「裏のアイドル」にされ、標的にされる日がやってこようとは...(『偶像の部屋』)。当事者の言い分は食い違い、怪異の実相はその都度あらたな顔を出す。恐怖と怪奇の傑作を十篇。

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