沢木冬吾

握りしめた欠片 (角川文庫)

七年前、正平が十歳のときに、当時、高校二年生だった姉の美花が失踪した。以来、家族はバラバラになってしまった。父は休職しながら市内の駅前で人捜しのビラを配り、母は噂や占いを頼って日本各地を放浪中。高校生になった正平は、父親の会社の関連施設でアルバイトをしながら、ビラ配りを手伝い、姉の行方の手がかりを探している。デビュー作『愛こそすべて、と愚か者は言った』で描いた街・海斗市を舞台に、再び親子・家族の絆を問う傑作。

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